介護にかかる費用・期間の平均を知ろう!事前の備えの作り方
人生100年時代にともない、介護は誰にとっても身近な課題となってきました。
介護には、介護する人、される人の時間や経済的余裕が深く関わってきます。
とくに、介護する人が職を辞めなければならない場合、代わりの収入はどうするのか?日々の介護にはどのくらいの費用がかかるのか?など、金銭面の心配が大きくなります。
そこで今回のコラムでは、介護にかかる費用の目安をお伝えしながら、将来直面した場合の備えについて考えていきたいと思います。
介護に必要な資金の目安
介護に必要な資金の目安は、次の計算式で概算することができます。
一時費用+月々の費用×介護期間=介護費用
※一時費用・・・介護用ベッドや住宅のバリアフリー化などにかかる費用
※月々の費用・・・介護用品購入費や介護サービス利用費のうち、介護保険適用外の自己負担分
「一時費用」「月々の費用」「介護費用」は、調査により平均値が出ています。
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【一時費用の分布と平均】
平均値:約69万円
一時費用の例
●自走式車椅子・・・4~15万円
●電動式車椅子・・・30~50万円
●水洗式ポータブルトイレ・・・1~4万円
●シャワー式ポータブルトイレ・・・10~25万円
●介護用ベッド・・・15~50万円
●階段昇降機・・・50万円~(工事費は別途)
【月々の費用の分布と平均】
平均値:約7.8万円/月
月々にかかる費用の例
●介護老人福祉施設利用料・・・7.6万円/月
●介護老人保健施設利用料・・・8.7万円/月
●介護療養型医療施設利用料・・・9.3万円/月
※介護サービスの自己負担分に加えて、食費・住居費・特別室料・理美容費・日用品費・娯楽費・預かり金などの合計を「利用料」としています。
【介護期間の分布と平均】
平均値:54.5ヶ月(約4年6ヶ月)
【一時費用+月々の費用×介護期間=介護資金】の式に上の平均値を当てはめて計算してみると、「494.1万円」が介護に必要な資金と算出できます。
ただしこれはあくまで平均値であり、実際は介護状態や介護期間の個人差によって、必要資金には違いが出てきます。
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介護に使える3つの公的保障
国が用意している公的保障のうち、介護に充てんできるものは次の3つです。
- 介護保険(65歳以上から利用可能)
- 障害年金
- 老齢年金
介護保険は、介護サービスを利用したときの自己負担額を、かかった費用の1割に収めることができます。(ただし、所得の高い方は2割または3割になります。)
障害年金は、介護保険の使えない64歳以下の場合でも、所定の状態と認定されれば受給できるお金です。
65歳以上でも認定されていれば引き続き受給ができ、介護保険との併用も可能です。
老齢年金の受給は、基本的には65歳からとなります。介護保険との併用ができます。障害年金との併給は、下の図の3パターンの組み合わせのうち、いずれかを選ぶ形になります。
※例えば「老齢基礎年金+障害基礎年金」など、下の3パターンに当てはまらない組み合わせは併給することができません。
このような公的保障を適切に利用しつつも、+αでかかる介護費用をどのように補てんするか?がポイントとなります。
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介護の不安に備える第一歩は事前のシミュレーション作成から
介護にかかる費用の目安と、利用できる公的保障の種類が見えてきました。
ここからは「自己負担分の準備の仕方」を、個別に考えていく必要があります。
すでに十分貯蓄があり、介護にかかる費用をほぼ捻出できる状態であれば心配はありません。ただし、多くの方はそうもいかないでしょう。
もしも介護で会社を辞めざるを得なくなったら収入はどうするか?
毎月の介護費用の負担をなるべく少なくするにはどうするか?
今の貯蓄の状況や、利用できる公的保障などを踏まえて、お一人お一人長期的なマネープランを作成していくのが大切です。
そのプランを見て、足りない部分を民間の保険で補っていくのがムダのない計画となります。
ご自身の介護、ご家族の介護のことで不安がある場合は、まずはマネープランの作成で「必要な部分の見える化」から始めていきましょう。
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